寄付者の管理はコングラントでできている。でも、ボランティアさんや会員さん、イベント参加者、助成元の情報は、担当者のエクセルやメールの中に散らばっている。そんな団体から、いちばん多くいただく質問があります。「寄付者の管理はコングラントでできているのに、キントーンも要るんですか?」
答えは「要ります」。ただし、コングラントをやめる必要はありません。コングラントは寄付を受け付ける入口としてとても優秀で、キントーンとは役割がまったく違うからです。
この記事では、コングラントとキントーンの違い、コングラントだけでは難しい3つのこと、そして決済サービスとして比べたときにコングラントをおすすめする4つの理由を解説します。
この記事でわかること
- コングラントとキントーンの役割の違い(寄付者の管理と、団体に関わるすべての人の管理)
- コングラントだけでは難しいこと3つと、キントーンでの解決方法
- 「寄付はコングラント、運営はキントーン」という組み合わせ方
- キントーンと組むなら、決済サービスにコングラントをおすすめする4つの理由
コングラントとキントーンの違い|役割がまったく違う
最初に結論です。寄付者の管理は、コングラント。団体に関わるすべての人の管理は、キントーン。
コングラントは、寄付を「受け付ける」ための道具です。寄付フォームを作って、クレジットカードや口座振替で寄付を受けて、お礼メールを送って、領収書を出す。寄付を集める入口として、とてもよくできています。
一方で、NPOに関わる人は寄付者だけではありません。会員さん、ボランティアさん、支援を受けている利用者さん、助成金をくれる財団、協力してくれる企業、行政の担当者。こうした団体に関わるすべての人のことを、ステークホルダーと呼びます。
そして大事なのは、同じ人がいくつもの顔を持っていることです。去年ボランティアに来てくれた人が、今年から寄付者になる。イベントに参加した人が、会員になる。企業の担当者が、個人でも寄付をしてくれる。この「ひとりの人の全部の関わり」を1か所で見られるのが、キントーンです。
ですから、どちらかを選ぶ話ではありません。役割が違うのです。
コングラントだけでは難しい3つのこと
コングラントを否定するわけではありません。ここでは、コングラント「だけ」では足りないところに絞ってお話しします。
1. 寄付者以外の活動履歴を、組織に残すこと
コングラントに入るのは、基本的に寄付をした人と、その寄付の記録です。でも、団体の中で起きていることは寄付だけではありません。ボランティアさんが活動に来てくれた。利用者さんのご家族から電話で相談があった。協力企業の担当者と来年の連携について打ち合わせをした。
こうした記録は、多くの団体で担当者のエクセル、メールの受信箱、手帳の中にあります。すると、担当者が辞めたときに、その人との関係も一緒に消えてしまいます。「前の担当の方には、よくしていただいたんですけど……」と言われて、何の話か分からない。NPOの現場で本当によく起きることです。
キントーンなら、寄付者かどうかに関係なく、ひとりの人に活動の履歴を積み重ねられます。寄付の履歴の下にボランティアの参加履歴があり、その下に面談の記録がある。この人と団体の関係の全部が、1つの画面で見えます。担当者が変わっても、ここを見れば引き継げます。
2. 単発と継続を合わせた、累計の寄付額・回数を出すこと
たとえば、ある方が3年前に単発で1万円、2年前から毎月2,000円の継続寄付、去年の年末にまた単発で3万円を寄付してくれたとします。この方は、これまでに合計いくら、何回寄付をしてくれた方でしょうか。
ファンドレイジングでは、この数字がとても大事です。累計がいくらの方か、何回目の寄付か。それによって、お礼の仕方も、次にお願いする内容も変わります。
ところが、コングラントの管理画面では単発と継続がそれぞれの記録として並ぶので、ひとりの方の累計を出そうとすると、データを書き出してエクセルで集計し直すことになりがちです。しかも、コングラントを使う前の寄付(振込や現金でいただいた寄付)は、そもそもコングラントに入っていません。
キントーンなら、寄付の記録をひとりの支援者に全部ぶら下げます。コングラントの単発も継続も、振込も現金も、全部同じ場所に入る。だから、累計金額、回数、初回寄付日、最終寄付日が自動で出ます。金額帯ごとに寄付者の人数を並べるドナーレンジチャートも、この形でデータが入っていればすぐに作れます。
3. メールの送信履歴を、組織に残すこと
コングラントからは、お礼メールなど決まったメールが自動で送られます。これは便利です。でも、団体が支援者に送るメールはそれだけではありません。活動報告、イベントのご案内、個別のお礼、ご相談への返信。こうしたメールは、担当者のパソコンのメールソフトから送られていて、その人の受信箱の中にしか残っていないことが多いです。
すると、同じ方に別々の担当者が同じ週に別々のお願いメールを送ってしまう。「先日メールでご相談した件ですが」と電話をもらっても、誰がどんなメールを送ったのか分からない、ということが起きます。
キントーンなら、その人にいつ、誰が、どんなメールを送ったかを支援者のレコードに残せます。メールワイズなどのメール配信の仕組みと組み合わせれば、送ったメールがそのまま履歴になります。
寄付はコングラント、運営はキントーン|NPOのDXの最適解
ここまでの3つをまとめると、コングラントは寄付を受け付ける入口としてはとても優秀ですが、団体の運営全体を載せる場所ではない、ということです。だから、私がNPOにおすすめしている形はこれです。
寄付はコングラントで受け付ける。運営はキントーンでやる。
寄付者がコングラントのフォームから寄付をする。その決済のデータが、自動でキントーンに届く。キントーンには、寄付者だけでなく、ボランティアも会員もイベント参加者も助成元も入っている。同じ人なら、同じレコードに履歴が積み上がっていきます。
入口は、寄付者にとって使いやすいコングラント。中の管理は、団体にとって使いやすいキントーン。それぞれの得意なことを、それぞれに任せる。これがいちばん無理のない形です。
キントーンと組むなら、決済サービスはコングラントをおすすめする4つの理由
NPOの寄付決済でよく名前が挙がるのは、コングラント、シンカブル、ロボットペイメントの3つです。どれも多くの団体で使われている、しっかりしたサービスです。そのうえで、キントーンと組み合わせることを前提にするなら、私はコングラントをおすすめしています。以下のプランや機能の情報は、2026年10月時点のものです。
理由1. 決済データを、キントーンに自動で転送できる
コングラントには、決済が完了した瞬間に、そのデータを外部に自動で送る仕組み(Webhook)があります。これを使うと、寄付が入った数秒後には、キントーンの寄付アプリに記録が追加されます。寄付者がすでにキントーンにいる人なら、その人の履歴に追加されます。
CSVを書き出して取り込む作業も、月末にまとめて入力する作業もありません。先ほどの「累計金額が出しにくい」という問題も、このデータがキントーンに自動で入り続けるから解決できるわけです。
なお、この自動転送の仕組みは、コングラントのスタンダードプラン以上で使えます。ちなみに、シンカブルには現状、こうした外部のシステムへ自動で連携する仕組みがありません。キントーンと組み合わせることを前提にするなら、ここが決済サービスを選ぶときのいちばん大きな分かれ目になります。
理由2. PayPay寄付など、寄付額を増やす仕組みが使える
寄付フォームでいちばんもったいないのは、寄付しようと思った人が途中でやめてしまうことです。クレジットカードを取りに行くのが面倒、カード番号を打つのが面倒。それだけで寄付は止まります。
スマートフォンでPayPayでそのまま払えれば、特に若い世代や、イベント会場でその場で寄付をしたい人にとって、ぐっとハードルが下がります。ファンドレイジングの現場にいると、支払い方法の選択肢が1つ増えるだけで、寄付の完了率が変わるのを実感します。
なお、PayPayが使えるのは単発の寄付で、毎月の継続寄付には使えません。「まず1回、気軽に寄付してもらう」入口として使い、最初の1回をいただいたあとに継続寄付をご案内する。この順番がおすすめです。
理由3. イベントの参加費や寄付も受け付けられる
チャリティイベント、講演会、報告会。参加費は当日現金、寄付は受付の募金箱、という団体もまだ多いと思います。コングラントには「イベント事業収益決済」という機能があり、イベントの参加費の決済まで、コングラントで受け付けられます。ライトプランでもスタンダードプランでも使えます。
当日の現金管理が減り、誰がいくら払ったかが記録に残ります。そして、この決済データもキントーンに自動で届くので、イベントに参加した人が、寄付者や会員と同じ一人の人として見えるようになります。「イベントに来た人が、その後寄付者になったか」も追いかけられます。
理由4. コングラント単体で、合算領収書を発行できる
合算領収書とは、1年間の寄付を1枚にまとめた領収書です。認定NPO法人に寄付した方は確定申告で税額控除を受けられるため、年明けに1年分の寄付をまとめた領収書がほしい、という寄付者は多いです。毎月の継続寄付を12枚の領収書でお渡しするわけにはいきませんし、手作業で集計して1枚ずつ作るのは、年末年始の事務局にとってかなり重い作業です。
コングラントなら、この合算領収書をコングラントの中だけで発行できます。ライトプランでもスタンダードプランでも使えます。
ひとつだけ注意があります。同じ方が単発と継続の両方で寄付をしている場合、コングラントの中でその2つが同じ人として名寄せ(1人にまとめること)されていれば、単発と継続を合わせた1枚の領収書になります。名寄せされていないと別の人として扱われ、領収書も別々になります。年末の発行前に、ここだけは確認しておいてください。
もちろん、キントーンでも領収書は作れます。ただ、コングラント単体でできることはコングラントに任せ、キントーンで作り込む必要がないところは作り込まない。これが、長く続けられる仕組みの作り方です。なお、シンカブルやロボットペイメントをお使いの場合の合算領収書については、こちらの記事で解説しています。
まとめ|寄付はコングラントで受け付けて、運営はキントーンでやる
寄付者の管理はコングラント、団体に関わるすべての人の管理はキントーン。役割が違うので、どちらかを選ぶ話ではありません。
コングラントだけでは難しいことは、次の3つでした。
- 寄付者以外の活動履歴を、組織に残すこと
- 単発と継続を合わせた、累計の寄付額・回数を出すこと
- メールの送信履歴を、組織に残すこと
どれも、キントーンと組み合わせると解決できます。そして、決済サービスとして比べたときにコングラントをおすすめする理由は、キントーンへの自動転送、PayPay寄付など寄付額を増やす仕組み、イベントの決済、合算領収書の4つです。寄付はコングラントで受け付けて、運営はキントーンでやる。これが、NPOがDXを進めるうえでの、いまの最適解です。
よくある質問
Q. コングラントを使っていれば、キントーンは要りませんか?
寄付者の管理だけならコングラントで足ります。ただ、ボランティア、会員、利用者、助成元など寄付者以外の方の情報や活動の履歴、単発と継続を合わせた累計の寄付額、メールの送信履歴を組織に残したい場合は、キントーンと組み合わせることをおすすめします。コングラントをやめる必要はありません。
Q. コングラントからキントーンへの自動転送は、どのプランで使えますか?
決済が完了した瞬間にデータを外部へ送る仕組み(Webhook)は、コングラントのスタンダードプラン以上で使えます(2026年10月時点)。
Q. PayPayで継続寄付(マンスリー寄付)は受け付けられますか?
PayPayが使えるのは単発の寄付のみで、継続寄付には使えません(2026年10月時点)。まず1回気軽に寄付してもらう入口として使い、そのあとに継続寄付をご案内するのがおすすめです。
Q. 合算領収書に、振込や現金でいただいた寄付も含められますか?
コングラントで発行できる合算領収書は、コングラント経由の寄付をまとめたものです。振込や現金など、ほかの経路でいただいた寄付は含まれません。また、同じ方の単発と継続をまとめるには、コングラントの中でその方が名寄せされている必要があります。
Q. シンカブルやロボットペイメントでは、キントーンと連携できませんか?
シンカブルには現状、外部のシステムへ自動で連携する仕組みがありません。ロボットペイメントは連携自体は組めますが、組み込みの手間が大きくなります。キントーンと組み合わせることを前提にするなら、コングラントをおすすめしています。
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