NPOキャリアに興味があっても、収入が下がることの不安は大きいですよね?
私も独身だったからこそ、NPOの1職員として勤務ができていましたが、子どもが生まれた事で、収入面に不安があって退職した経験があるので、不安はよく分かります。
NPO職員退職後、独立することで職員時代と比べて数倍の年収を得ることができたので、どんな考えを元に報酬を上げることができたかについてご紹介します。
NPOで働く人は年収200万円台という現実
2022年末、日経新聞にこんな記事が紹介されました。
出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE0540H0V01C22A2000000/
この状況は、現時点でも大きく改善されていませんが、NPOでキャリアを積むにあたって、本当にやりがいと収入を両立させることは難しいのでしょうか?
NPOキャリアで年収数倍を達成した私のキャリア源泉|CFOではなくCOOのスキルが身についた
かつてNPOの1職員として勤務していた私ですが、独立後はパラレルキャリアとして4つの仕事を展開することで、年収を数倍に上げることができるようになっています。
以下、私のキャリアの概観をご紹介いたします。
このようなキャリアを身につけることができたのは、いくつかの要因がありますが、最大の要因は、CFOではなく、COOとしてのスキルを高めていったことだと断言できます。
NPOで働く人にとって、ファンドレイザーという職種は、浸透しつつあるかと思います。
ファンドレイザーとは、寄付を中心にNPOの増収に貢献する専門家のことで、民間企業のCFOにあたる職業になります。
NPOならではの財源である寄付を集めるためには、ファンドレイザーの活躍はなくてはなりませんし、私自身もNPOでの最初のキャリアはファンドレイザーからスタートしています。
しかし、ファンドレイザーだけではNPOで適切な報酬を得ることは難しく、自身の報酬を上げるための結論として、COOとしてのキャリアを高めていくことをご紹介します。
COOとは?NPOでいう所の事務局長職であるが、企業に例える所のCFO+CIO+CMOの事
COOは、NPOの職種でいう所の事務局長にあたる職種になり、図で表すと以下のようになり、CFO+CIO+CMOのスキルが求められる人と考えてください。
どうやってNPOに対して売上を上げるかの戦略立案、施策実行をするのがCFO
COOを構成する1つであるCFOは、ファンドレイザーのことを指します。
ファンドレイザーとして、NPOの成長段階に合わせて、誰からどんな形でどんな財源をどのように獲得するのか?を見定めて、法人にアドバイスをしたり、事務代行をした結果、NPOの売上増収に寄与することで、比例して報酬アップを図ることができます。
ただし、NPOで増収を上げることは、再現性が高い訳ではなく、CFOだけでは法人に対して十分な価値を提供することは難しいのが現実です。
そこで、ファンドレイザー、CFOだけではない他のNPO経営にとって必要なスキルなども身につける必要性がでてきますので、以下、2つのスキル、CMOとCIOについてご紹介します。
リピート寄付の最大化を実現するために最重要であるCIOの役割
ファンドレイザーで、寄付者に感謝、報告を徹底することで、リピート寄付などで増額が見込めるということをご存知の方は多いと思いますが、リピート寄付が実現できるためには、実は、結構ハードルが高いというのをご存知でしょうか?
- ステークホルダーを一元管理して、どのスタッフでも適切に交流が図れる体制をつくる
- 寄付時の即時お礼〜領収書発行、アニュアルレポート発行まで一気通貫で実践できる体制をつくる
リピート寄付を実現するためには、主に上記が必要になりますが、上記を実現するためには、CRMと呼ばれる仕組みを構築する必要があり、CIOが法人に求められる要件を定義し、実務に落としていく体制を整備することが求められます。
その他、民間企業よりも更に、マンパワーや資金が不足しているNPOにとって、少ない労力で最大限の効率で事務が運営できるために、どんなITツールをどのように活用すべきか?を見定めて最適化を図るためを考えて、形にしていくのがCIOの役割になります。
受益者や支援者への集客や分析等を行い、戦略立案〜実行までの仕組みを作ることがCMOの役割
NPOは、受益者と支援者という、異なる属性に対して同時に集客等を行わないと、事業拡大できない法人格になりますが、限られた経営資で、誰をどのように集客できるのか、どの施策がどれくらい効果を上げているのかを分析する等、マーケティングのノウハウが必要になります。
上記を実現するための戦略立案〜仕組みを実装することがNPOでも重要であり、そこを担っているのがCMOになります。
ブログやSNSでの集客、グーグルアナリティクスやサーチコンソールでの分析など、NPOで働く人が苦手になりがちなデジタルツールを中心に、少ない労力で最大限の効果が見込めるための全体設計、仕組みづくりをすることが、CMOに求められています。
COOとしてのスキルを高めていくことで報酬アップに成功した私の事例紹介
私自身、CFOのキャリアから入ってCOOのキャリアを強化することで、
- 1つのNPOとの顧問契約を長く続けてもらう
- NPOとの顧問料の単価を引き上げる
ということに成功し、報酬が得られています。
以下、具体的な事例をご紹介していきます。
寄付収入を中心とした売上が約4倍に増えて法人基盤が整った
私が経営支援で関わらせてもらった某協会は、約5年関わる中で以下のような業務を実現することで、増収と法人基盤を整えることに成功しています。
- セールスフォース導入による寄付者向けファンドレイジング体制を構築
- クラファン750万円達成に寄与
- コロナ禍のタイミングで大手メディアに掲載された事で寄付増額に寄与
- 里親を増やすためのWebマーケティングの仕組みづくりに寄与
- kintone導入によるツール最適化を実現
私個人の能力ではなく、代表を始め、様々なパートナーに協力いただいたこそ、法人の成長段階に合わせて、様々な成果が得られたと実感していますが、CFOとしての役割を超えたCOOとしての役割を実践したことが、大きな要因になっていると断言できます。
正職員が4人から2人に減り助成収入も減少したが利益率は改善した
もう4年くらい顧問契約をいただいてるある法人は、正職員の2名が退職を申し出たり、大型助成金の収入が見込めなくなったり、様々な変化を経験されています。
その変化の中で、Webマーケティングを通じて自主事業の売上が上がる仕組みを実装したり、セールスフォースやkintoneの仕組みを導入することで、最小労力で業務が回る仕組みを実装したりすることを通じて、変化を乗り切り、法人としての利益率の改善に寄与することができることができています。
ボランティア向けCRMを構築することで、スラック、グーグルフォームの限界突破に寄与できた
ボランティア約200人、NPOの職員2名体制で運営されているある法人は、ボランティアに対する業務を、Googleフォーム、グーグルスプレッドシート、LINE、スラックを通じて、運営されていました。
ただ、上記の体制ではマンパワーが限界を迎え、これ以上ボランティアを増やすことができないという悩みを抱えておられました。
そこで、kintoneやガルーン(=グループウェア)を軸にITツールの体制や運用方法を抜本的に改めて、法人やボランティアさんも、ツールの変化に対応する努力をして下さったおかげで、課題が改善できて、より多くのボランティアを受け入れる体制に移行することに成功されています。
以上のように、様々な形で、NPO経営の根幹を支える事に寄与でき、自身の適正収入とやりがいを両立することができるのが、COOという仕事になります。
COOになるための最初の一歩として、DXのプロ養成講座のページをご覧ください
私は、飛び込み営業しかしたことがないというキャリアからNPOでのキャリアをスタートし、様々な失敗や年数を経て、COOとしてのキャリアを強化することができています。
NPOキャリア初心者、対個人向け事業の経験がない人間でもCOOになることはできると、自らの経験から確信しているのですが、この記事を読んでCOOを目指すことに興味を持たれた方は、最初のアクションとして、DXのプロ養成講座のページをご参考ください。
CIOを軸にスキルを身につけつつ、ファンドレイザーのスキルとかけ合わせることで、COOになるための最短ルートが手に入る唯一無二の講座です。
理想の働き方、生き方を実践するために、ぜひ、一緒に学んでいきましょう!これまで記事を読んでいただいて、ありがとうございました。
それでは、今日もよい一日を!