NPOのマーケティングを4億寄付集め実績者が語る|2属性最適化がコツ

NPOが取り組むのは、Web集客・寄付依頼・イベント告知などのマーケティング施策。しかし、

  • 集客だけで終わっている
  • 支援者情報はスプレッドシートで点で管理している
  • 寄付や参加履歴が連携されず、次のアプローチにつながらない

といった課題に直面していませんか?これは多くのNPOが集客フェーズでつまずき、「その先」に進めずにいる構図でもあります。

本記事では、NPOマーケティングから始まり、支援者エンゲージメント、アナリティクスなど「マーケティングを超えたDX」へ進む視点を、事例とともに解説します。そしてその道具として最適な選択肢としてkintoneをご紹介します。

目次

NPOがマーケティングを行う上で最重要ポイント2属性の違いと集客ハードルを理解する

NPOは受益者と支援者、異なる2属性を同時にアプローチが必要な法人格なのですが、実は、集客のハードルは、

受益者の方がハードルが低く、支援者の方がハードルが高い

という構造を理解している人はほとんどいません。

上記の根拠は、以下の通りです。

  • 支援者はどのNPOも必要としているためNPO同士競合になる
  • 受益者は企業や行政がアプローチできないマイノリティを対象とする事が多く、他法人格よりも接する頻度や関わり度合いが深くなる特徴がある事を、グーグルが評価してくれ、Web上で上位表示されやすくなる。

特に、後者の特徴を理解している人がほとんど存在しておらず、マイノリティである受益者を集客しやすい事がNPOの強みである事を抑えた上でマーケティング施策を実行していく必要があります。

受益者向けマーケティング施策を展開して課題解決のスピードを早めるための具体例

私のNPO向け経営支援の実体験に基づき、受益者向けマーケティング施策の具体例をご紹介します。

ステップ1:グーグルアドグランツ等で受益者に対する認知を行う


https://www.google.com/intl/ja_jp/grants/

NPO法人であれば、月100万円までの広告予算が利用できる、グーグルアドグランツをご存知でしょうか?

グーグルアドグランツは、1クリック2ドル以内のキーワードしか出稿できないというルールがあるため、寄付者向けマーケティング施策には向いていませんが、受益者向け集客としては、十分に機能するサービスになります。

グーグルアドグランツなどを活用して、少ない労力で受益者を集客し、接点を持つ努力を心がけましょう。

なお、グーグルアドグランツの初期設定を含めたNPO向けWebマーケティングの最適的案を実装したい方は、お問合せください

ステップ2:多くの受益者と接して、困り事のヒアリングや悩みを解決するための役務提供を行う

受益者との接点が持てるようになったら、対面やオンラインで直接、困りごとや悩みをヒアリングしながら、様々なノウハウを活用して、受益者の困りごとを解決できる事業を愚直に実行しましょう。

数が多い方が望ましいですが、立上げ間もない段階では、絶対数が少なくても問題はありません。

ステップ3:受益者の声を統計データ等にまとめてより多くの受益者の課題を解決するために資金調達が必要だということを言語化する

受益者の課題解決と平行して、定性、定量データを集計することも行ってください。

データを集計しながら、受益者の現状、課題、解決策などを言語化することができれば、寄付や助成金での資金調達ができる体制を整えることができます。

ステップ4:自団体と親和性の高い助成プログラムに申請し、資金さえあれば課題解決ができることを訴求する

たとえ数人でも構わないので、受益者と実際に接して得た経験を活用し、寄付集めや助成金の申請を積極的に行いましょう。

助成金は、以下の点に注意しながら、どの助成プログラムに申請するかを判断してください。

  • 助成プログラムの趣旨に合致しているか
  • 過去の助成実績は自団体と近しい団体が採用されているか
  • 助成金額を適切に使い切れる資源が自団体に整っているか

ステップ5:助成が通過した事で実施できた事業を体系的に集計して、助成金の効果を可視化し、対外的に公開をする

以上のステップを行うことで、マーケティングを切り口に、NPOが果たすべき役割を全うする仕組みを実装することは、比較的どのNPOであっても再現性がある事をご理解ください。

遠回りかも知れませんが、正直、NPOが受益者を集めたり、事業規模を大きくするためには、上記の工程を着実に進めていかない限りは、正しく経営することは難しいということを留めておいてください。

支援者向けマーケティング施策の具体例|中長期スパンで関係性を構築する事を前提に施策を実行する

受益者と異なり、ハードルが高い支援者向けマーケティングは、以下の全体工程を意識した上で、全体最適を行うことを心がけましょう。

ステップ1:フォームは必ずデータベースに溜まる設計を行う

寄付見込者、寄付者等、全ステークホルダーをデータベースに集約する仕組みをつくることが、最初の出発点になります。

Webフォームから問合せをしてくれる人や、アンケートに答えてくれる人は、何等かの形で活動に興味がある人であるので、少しでも多くの支援や寄付の見込者の情報がメーラーに埋もれるのではなく、データベースに溜まる仕組みを実装してください。

グーグルフォームでDXは実現できるのか?その限界と本質的な解決策

グーグルフォームの代替えとなる、月3,000円で利用できるじぶんフォームを適切に設定し、キントーンとつなぎ込みをしたい方は、以下をご参考ください。

ステップ2:月1回の頻度で必ずメールマガジンを配信する

データベースに溜まったリストは、溜めて終わるではなく、必ずメールマガジンを送るなどで活用することを実践しましょう。

オプトイン:イベント等でプライバシーポリシーに同意した上でリストを集める

イベント参加時のフォームや、Webサイトの問合せフォームを送信する時に、プライバシーポリシーに同意するにチェックをつけてもらった上で、情報を取得すれば、メールマガジン等を送付することは問題ありません。(プライバシーポリシーに活動報告などを行うことも明記する)

オプトアウト:配信解除を希望する場合のフォームを全てのメルマガに加える

また、配信するメルマガごとに、配信解除を希望したい人はいつでも解除ができるようにすることで、法的に問題なくメールを届ける体制が運用できることになります。

ステップ3:クラファン等、期間と金額を明確にしたキャンペーンで寄付依頼を行う

メルマガで関係性を構築する等を実践しつつ、年に1回、寄付してもらう動機を最大化するキャンペーンを行う事で、寄付額の最大化を図りましょう。

メルマガの頻度は普段より多く行うことがポイントです。

例えば、年間数億規模の寄付集めを行っておられる、認定NPO法人D×Pさんのメルマガ事例をご紹介します。

D×Pさんは、クラウドファンディングをされる際には、以上のように、非常に多くの頻度でメールマガジンを配信されることを実践されています。本記事をご覧の方もD×Pさんを見習って、メルマガを活用しましょう。

NPOがマーケティングを行う上では集客だけに留まらない仕組みの構築が必須となる

NPOがマーケティングを行い、売上を上げたり、受益者への課題解決のスピードを加速させる上では、集客だけに留まらずに、上流〜下流までを一気通貫するシステムの構築が必要です。

そのためには、kintoneを軸としたシステムを実装する必要性がどうしても求められています。

本記事で問題提起をしたいのは、NPOの現場が表面的なマーケティング施策のみに留まっていて、体系的な施策が実行できていない場合が多いという点です。

上記を解決するための仲間を集めたい、そう考えて、日本唯一のDXのプロ養成講座を主宰しています。

NPOの経営課題を根本解決し、マーケティングを切り口に様々な形で貢献しつつ、自身の収入も上げたいと思う方は、ぜひ、私のDXのプロ養成講座の個別相談に来てもらえたら嬉しいです。

本記事では言及していませんが、グーグルアナリティクスなどの初期設定を正しく行うことの重要性や、ドメインを正しく定義することの重要性等、複数の法人を経営したり、NPOの支援を行った実績に基づき、他のファンドレイザーが知らない様々なアドバイスを行うことができます

自分も社会も豊かになるため、構造的なマーケティング力を一緒に向上させましょう。

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この記事を書いた人

DXの専門家|寄付集め実績4億|2社経営

『国公立大学含むDX支援実績20団体以上』
独立5年で受注単価10倍超

▼個人向け事業
3ヶ月で脱社畜が叶う
DXのプロ養成講座を主宰

▼パーソナリティ
3児の父
趣味の釣りで会社経営(ガイド+EC)
NPOのデジタル経営支援実績日本一

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