働く人が限られる中小企業やNPOにおいて、「属人化」は日常的に見られる現象です。
「小規模だから仕方ない」「あの人に任せておけば安心」‐‐そう考えて属人化を放置している経営者は少なくありませんが、年々属人化による経営リスクは高まっています。
この記事では、属人化の放置がもたらす経営リスクと、それを回避するための具体的な対策について解説します。
読了後は、御社でもすぐに取り組めるアクションプランを持ち帰っていただけるはずです
属人化が招く4つの経営悪化リスク
以下のリスクがあります。
1. 突発的な退職・休職による業務停止
「〇〇さんがいなければ何も分からない」状態で、その〇〇さんが突然退職、あるいは病気や介護で長期休暇に入ってしまったらどうなるでしょうか。業務がストップするだけでなく、顧客対応の質が下がり、信頼を損なうことにもなりかねません。
2. 組織の成長阻害
属人化が進むと、業務のブラックボックス化が進み、ノウハウが共有されません。新しい人材が育たず、組織としての成長が止まってしまいます。企業としての「再現性」がないため、安定した成長ができなくなります。
3. DX・業務改善の妨げに
業務の標準化やシステム化(DX化)を進めようとしても、属人化が邪魔をします。「この人にしかわからない」「マニュアルがない」状態では、改善提案すら困難です。結果として、変化に対応できない“硬直化した企業”になってしまいます。
4. 経営判断の遅れと誤り
属人化された業務の情報が経営層に正確に上がってこなければ、判断材料が不足します。結果として、意思決定のスピードが遅れたり、誤った方向に進んだりしてしまいます。
属人化を防ぐ・解消するための4つの具体策(初級編)
どうすれば属人化から脱却できるのでしょうか?中小企業でもすぐに実行できる対策を4つ紹介します。
1. 業務の「棚卸し」と可視化
まずは、誰が・何を・どうやって行っているかを全社的に洗い出します。これは、業務の可視化によって、属人化の根本を見つけるための第一歩です。
ExcelやGoogleスプレッドシートなど、手軽なツールでも構いません。
項目例:
- 業務内容
- 担当者
- 使用ツール
- 所要時間
- 引き継ぎ可否
これを部門ごとに集計することで、「あの人だけがやっている業務」が明らかになります。
2. マニュアル・手順書の作成
属人化の典型パターンは「手順が頭の中にしかない」状態です。簡単なもので良いので、日常的な業務の流れをテキストや動画で残していきましょう。
ポイントは“完璧を求めない”こと。最初から詳細なマニュアルを作ろうとすると挫折します。まずは「最低限、他の人が再現できる」レベルで十分です。
3. 業務の分担とローテーション
属人化している業務に、他の社員を関与させましょう。1人だけが担当するのではなく、2人以上で業務を共有・交代する体制をつくることで、知識やスキルの偏りをなくします。
社内で「教える文化」を育てることも、属人化を防ぐカギになります。
4. クラウドツールの導入
情報の共有と一元管理にはクラウドツールが効果的です。たとえば、kintoneのような業務管理プラットフォームを導入すれば、顧客情報、案件進捗、問い合わせ履歴などをチーム全体で見える化できます。
紙やエクセルで個人管理していた情報を共有することで、属人化の構造そのものを破壊できます。
脱属人化と全体最適化の同時実現をする事=DXを推進することがポイント
例えば、誰もが使っているグーグルフォームやAccessは、属人化を促進させる代表格となるツールです。
詳細は以下でご案内していますが、
- 情報を溜める
- 情報をつなぐ
- 情報を活かす
属人化を防ぐには、上記の3要素が大切になりますが、Googleフォームやアクセスは、
- スプレッドシートに溜まった後活かせない(リンク知っている人しか情報にアクセスできないようになる)
- アクセス(Access)は機能が高度すぎて特定の人しか扱えない
という特徴があり属人化を促進する温床となってしまい、業務を処理する目的を達成できても、属人化を防ぐ事が推進できないという状況に陥るリスクが極めて高くなります。
キントーンで属人化が解消できる具体例(上級編)
キントーンを活用することで、根本的に属人化が解消できる仕組みを構築が可能です。
キントーンを構築する=DXを推進することで、
- 売上を最大化する仕組み
- 生産性を最大化する仕組み
を、人ではなく組織に残すことができるからです。
あらゆる経営情報をキントーンに溜める仕組みをつくって、立場の違いによって情報を出し分けることで、脱属人化は実現ができます。

売上最大化を実現するために、SFAやマーケティングファネル、CRMを構築する
売上を最大化するために、SFA/マーケティングファネル、CRMという仕組みを構築し、一番重要な見込顧客、既存顧客の情報をキントーンに集約し、集約したデータをチームで活用して売上を上げるための打ち手を行う体制をつくることができれば、属人化を防ぐことができます(誰かが辞めても売上が急に落ちる体制を防げる)

- 見込顧客情報はGA4やサーチコンソール、UTAGEやLステップ等に格納する
- 既存顧客情報はキントーンに格納する
という体制を整備することを心がけましょう。
生産性を最大化するために経営情報を一箇所に集めつつ立場の違いによって情報を出し分けよう
キントーンは、プロジェクト単位、メンバー単位、業務単位、役職単位等、様々な単位で経営に関わる人ごとに情報を出し分ける仕組みを実装することができます。
スペース機能を活用して必要メンバーが業務を行うことだけに集中する体制構築ができる
例えば、以下のようにキントーンのスペース機能を実装すれば、ボランティアチーム単位やプロジェクト単位で、特定の人だけが閲覧できるプチホームページのようなものを作成し、経営に必要な情報を一箇所に集めつつ、属人化を防ぐことができます。

- スラック、チャットワーク等のチャット機能
- 掲示板などのダッシュボード機能
- エクセルファイルなどのデータベース機能
を全て1箇所に集約した仕組みを実装できるので、当たり前に属人化を防いだ体制を構築ができます。
アプリ単位で適切なアクセス権限を付与することで属人化が実現できる
キントーンはエクセルでいうファイル単位、行単位、列単位で立場の違いによって情報を出し分ける機能を実装することができます。

例えば、ボランティアの名簿管理というアプリを作成する場合、
▼行単位での閲覧権限設定でできる事
- ボランティアは自分の情報だけ閲覧できる
- 事務局は全ボランティアの情報が閲覧できる
▼列単位での閲覧権限でできる事
- ボランティアは入退会情報は閲覧できない
- 事務局は入退会情報を閲覧できる
ということを実装ができますので、ボランティアに関わる全情報をキントーンに集約することで、属人化の実現が可能です。
人でなくて組織に経営情報を残すことで5年後、10年後に存続する法人を目指そう
属人化の問題は、すぐ効果が出るものではありませんが、スタッフが入れ替わるタイミングで急に必要性が高くなります。
誰かが辞めて慌てるのではなく、普段から人が辞める前提で、属人化を防いだ体制をつくる。
ここを叶えるために、キントーンを活用してもらえたら嬉しいです。
キントーンで業務全体を俯瞰し、業務地図を手に入れたい人はぜひ、奏ワークスにお問合せください。お待ちしております。



