キントーン(kintone)のアプリアクションで適切な業務導線を実装しよう

中小企業やNPOなど、組織が抱える共通の課題の一つに「情報の分散」があります。

営業部はExcelで案件管理、総務は紙ベースでタスク管理、経理は別のシステムで数字を管理している――。

このような状況では、経営者が「全体の進捗を見える化したい」と思っても、各部署に確認を取るだけで時間がかかってしまいます。

そこで有効なのが、キントーン(kintone)の「アプリアクション機能」です。

これは、複数のアプリ間でデータを受け渡し、自動的に情報を整理・蓄積する仕組みです。

業務ごとにアプリを分けながらも、必要な情報を相互に連携させることで、経営情報を一箇所に集約する「データの流れ」をつくることができます

目次

アプリアクションとは?初心者でも分かる基本の仕組み

キントーン(kintone)では、業務ごとに「アプリ」を作成し、データを管理します。

たとえば、「案件管理アプリ」「タスク管理アプリ」などが代表的です。

アプリアクションとは、あるアプリで登録・更新したデータを、別のアプリに自動的に転送・複製する機能です。

エクセルではできない、エクセルファイルとエクセルファイルをまたいで、コピペをする

そんな機能がアプリアクションだと認識してください。

これにより、複数の業務アプリが連動し、情報が自然に流れていく仕組みが作れます。

具体的には次のような動きをします。

・案件管理アプリで「商談が進行中」となった瞬間、
→ タスク管理アプリに「新規タスク」が1ポタンクリックで作られる。

・ 顧客アプリで「契約済」となったら、
→ 売上アプリに契約情報が自動転送される。

つまり、ボタン一つで“別のアプリに情報を渡す”ことができるのです。

上記①②の動作イメージについては、以下の動画でご紹介しています。

実例:案件管理アプリとタスク管理アプリを連携させる

ここで、具体的な活用イメージを見てみましょう。

① 案件管理アプリに「タスク内容」フィールドを設置する

営業担当者が案件を登録する際に、次のような項目を入力します。

  • 案件名
  • 顧客名
  • 商談ステータス(商談化・契約済みなど)
  • タスク内容(次にやるべきアクション)

この「タスク内容」フィールドに、たとえば「見積書作成」「デモ日程調整」などを記載します。

② アプリアクションを設定する

案件管理アプリのレコードに「商談化」ボタンを設置し、それを押すと自動的にタスク管理アプリへデータを転送するよう設定します。

転送先は以下のような項目です。

案件管理アプリの項目 タスク管理アプリの項目
案件名 タスク名
顧客名 顧客名
タスク内容 タスク詳細
担当者 担当者
商談ステータス ステータス(未完了)

この設定を行うことで、案件登録と同時にタスクが自動で生成され、タスク管理アプリ上で個別の進捗管理が可能になります。

③ 2つのアプリで連動管理が実現

  • 案件管理アプリでは、「商談単位」で全体の進捗を確認できる。
  • タスク管理アプリでは、「担当者単位」で作業の進み具合を管理できる。

このように、1つの入力が2つのアプリを動かす仕組みを作ることで、二重入力や漏れを防ぎながら、現場と経営の両方で情報の見える化が進みます。

経営における3つのメリット|エクセルでは実現できない経営の資産化が実現できる

1. 情報の「流れ」ができることで全体像をつかみやすくなる

従来は、営業がExcel、総務がスプレッドシート、経営者はメール報告…とバラバラに情報を追っていたところを、アプリアクションで連携させると、案件のライフサイクル全体が見えるようになります。

  • 「この案件は今、誰がどのタスクを持っているのか?」
  • 「滞っている工程はどこか?」

といった情報を、キントーン(kintone)上で一覧表示できます。

2. 二重入力・転記ミスがゼロに

アプリアクションを設定すると、同じデータを別アプリに自動転送できるため、**人手による転記作業が不要**になります。
入力の手間が減るだけでなく、コピー&ペーストによるミスや更新漏れも防止できます。

3. 経営判断に必要なデータが「自然に蓄積」される

キントーン(kintone)の強みは、「日々の業務入力がそのまま経営データになる」点です。

アプリアクションによってアプリ間をデータが流れると、案件・タスク・顧客・売上といった情報が、時間軸を持って蓄積されていきます。

このデータをダッシュボード化することで、

  • 案件数の推移
  • タスク完了率
  • 顧客別売上高

などをリアルタイムで確認できます。

アプリアクション機能を現場に定着させるコツ

キントーン(kintone)導入初期によくある課題は、「使う人によって入力ルールがバラバラになる」ことです。
これを防ぐためには、アプリアクションの設計時に次のポイントを押さえましょう。

1. アプリごとの役割を明確にする

「案件管理は営業用」「タスク管理は全社員で共有」といった役割分担を決めておきましょう。

2.実際にアプリアクション機能を実装する

キントーン(kintone)でアプリアクション機能を実装するのは、サイボウズさんが提供されているガイドブックを確認すれば、誰でもできます(プログラミングの知識は一切不要です。)

引用:https://kintone.cybozu.co.jp/material/pdf/kintone_guidebook_vol06.pdf

3.ボタンの配置と命名をわかりやすく

「タスクを作成する」「契約を登録する」など、実行内容がひと目で分かる名称を使います。

4.転送するフィールドを最小限にする

不要な項目まで転送すると、情報が重複し混乱のもとになります。
必要なフィールドのみを連携させるのが鉄則です。

5. 運用ルールを全員で確認

初期段階では「このボタンを押したらタスクが作成される」などを社内共有し、運用を統一することでスムーズに定着します。

さらに広がるアプリアクションの応用例

アプリアクションは、営業とタスク管理の連携以外にも、多様な活用が可能です。

元アプリ 転送先アプリ 活用例
顧客管理アプリ 案件管理アプリ 新規顧客登録時に、自動で商談レコードを作成
案件管理アプリ 売上管理アプリ 契約成立時に、売上データを自動転送
タスク管理アプリ 勤怠管理アプリ タスク完了時に、作業時間を自動登録
問合せアプリ 対応履歴アプリ 対応が完了した時点で記録を転送し、履歴を保存

こうした仕組みを少しずつ整えていくと、全社でのデータ連携基盤が自然に育っていきます

例えば、エクセルをキントーン(kintone)に替えるだけで、様々な中小企業、非営利法人のDX推進が可能です。

中小企業DX|生産性UP、脱属人化、LTV最大化が実現可能

また、SFAやCRMを実装したい法人も、開発コストを抑えての各種システム構築が可能になります。

スプレッドシート営業管理システムをキントーン(kintone)に替えるだけで売上UP

1レコードだけでなく複数レコードを一括で別アプリに連携(レコードコピペ)したい場合はプラグインを活用しよう

非常に便利なアプリアクション機能ですが、1点、盲点があります。

それは、1レコード単位でしか、別アプリに情報が連携できない事です。

複数のレコードを、アプリをまたいで一括でコピペしたい、そんなシーンもあるはずです。

例えば、メールマガジンを配信する対象者を複数のアプリから引っ張ってきて、重複を排除したリストをつくりたい場合は、

  • 1レコード単位でコピペは大変
  • アプリアクションだと、常に新しいレコードがメルマガアプリに登録されてしまうので、重複排除ができない

という課題が出てきます。

この場合は、無料プラグインを活用することで、一括でレコードのコピペができるようになります。

まとめ:アプリアクションで「情報の流れ」をつくる

キントーン(kintone)のアプリアクションを活用すると、

  • 案件管理アプリとタスク管理アプリのように、複数アプリをシームレスにつなげられる
  • データが自然に流れ、経営情報が一箇所に集まる
  • 二重入力を防ぎ、業務効率と精度を高められる

という3つの大きなメリットが得られます。

最初は「ボタンを押して別アプリに転送する」だけでも構いません。

そこから徐々に、顧客管理 → 案件管理 → 売上管理 → レポート、というデータの流れを作っていけば、中小企業でも手の届く「データ経営」が実現します。

キントーン(kintone)のアプリアクションは、単なる自動化機能ではなく、経営情報を自然に集約する“仕組みのデザイン”そのものなのです。

もし「アプリ間の連携をどう設計すればいいかわからない」「どの項目を転送すべきか迷っている」といった場合は、専門家に相談するのがおすすめです。

初期設計を誤ると、後から修正に手間がかかるため、最初の段階で全体設計を明確にしておくことがポイントです。

キントーン(kintone)の導入・設計に迷われた際は、無料相談からお気軽にご連絡ください。
現場の業務フローに合わせた最適なアプリ連携設計をお手伝いします。

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この記事を書いた人

DXの専門家|寄付集め実績4億|2社経営

『国公立大学含むDX支援実績20団体以上』
独立5年で受注単価10倍超

▼個人向け事業
3ヶ月で脱社畜が叶う
DXのプロ養成講座を主宰

▼パーソナリティ
3児の父
趣味の釣りで会社経営(ガイド+EC)
NPOのデジタル経営支援実績日本一

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