多くのNPO法人では、ボランティア募集を通じて新しい支援者と出会い、そこから寄付者やファンを増やしたいと考えています。
特に「activo(アクティボ)」のようなボランティアプラットフォームを活用している団体は、年間を通して多くの応募者との接点を得ることができます。
しかし、現実には——
ボランティアの応募情報を一度きりの関係で終わらせてしまっている団体が少なくありません。
せっかく関心を持って応募してくれた方の情報を、手作業でスプレッドシートに整理して終わり……。その後、寄付やメルマガ配信などに活かされていないケースが多いのです。
本記事では、**「activo → スプレッドシート → kintone → メルマガ配信」**という一連の流れを自動化・効率化し、NPOが寄付売上を安定的に増やす仕組みを紹介します。
ステップ①:activoでボランティア募集を行う
まず、NPOがactivo上でボランティア募集ページを作成します。
activoは日本最大級のボランティア募集サイトであり、学生や社会人ボランティアなど、多様な層が活動を探しています。
activoの応募フォームを通じて、応募者の氏名・メールアドレス・関心分野などの情報がGoogleスプレッドシートに自動で記録されるように設定しておくと、次の工程で活用がしやすくなります。
ステップ②:プラグインを実装してワンクリックでキントーン(kintone)にデータ取り込み
スプレッドシート上に応募者情報が蓄積されたら、ここで登場するのがキントーン(kintone)連携プラグインです。
プラグインを活用すればキントーン(kintone)とスプレッドシートや外部DBを双方向に連携できる強力なツールです。
通常、CSVの手動インポートやAPI設定が必要なデータ連携を、「ボタンクリック一つ」で完結させることができます。
以下は、LINEトーク履歴をスプレッドシートに自動同期させた後、キントーン(kintone)に情報を移す画面イメージです。
たとえば、次のような運用が可能です。
スプレッドシートの項目 | キントーン(kintone)のフィールド |
応募者氏名 | 名前 |
メールアドレス | メール |
活動希望分野 | 興味・関心 |
応募日 | 登録日 |
プラグインの管理画面で「データ取得」ボタンをクリックするだけで、最新応募情報を自動でキントーン(kintone)のアプリ(=エクセルでいう1ファイルとほぼ同じ)に反映。
これにより、「新しい支援者リスト」を即座に構築できます。
キントーン(kintone)でCRMを進める事で、「応募→関係構築→寄付」の流れがデータ上で一元管理できるようになります。
ステップ③キントーン(kintone)で支援者データベースを整備
プラグインによって取り込まれた応募者情報は、キントーン(kintone)上で支援者データベースとして蓄積されます。
ここからが“データ活用の本番”です。
たとえば、次のような条件でリストを作成できます。
- 過去6ヶ月以内に応募したボランティア
- メールアドレスが有効な人
- イベント参加経験あり
- サイトに問合せしてきた人
こういった情報を1つのリストにまとめて全属性にメルマガを一斉配信する、あるいは属性別にメール配信する、こういった運用ができるだけで、寄付増収および活動のファン度を高めることができます。
NPO/NGOがメルマガリストを生成する時の最大の課題は、「参加できる入口が多い事」です。
- クレカ決済はコングラント
- 物品寄付はチャリボン
- クラファンはレディーフォー
- ボランティア応募はアクティボ
このように複数の入口があると、情報がバラけてしまい、1つのメルマガリストを作るために疲弊してしまいます。
情報を統合したリストさえつくることができれば、
クラファンをする時だけ支援のお願いをしてくるNPO/NGOに2回目の支援はしない。
そう思われる支援者を減らすことができます。
ノウハウを適切にNPO/NGOに実装する事で、非営利の増収に貢献できる、そんなDXのプロ集団も応募しています。
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ステップ④メルマガ配信で「関係性の階段」を登ってもらう
多くのNPOが課題としているのが、「一度ボランティアに来て終わり」という状態です。
ここで重要になるのが、**ドナーピラミッド(Donor Pyramid)**の考え方です。
多くのNPO経営者やファンドレイザーがこの概念を理解していますが、
実際の現場で「ピラミッドを意識したデータ運用」まで行えている団体は極めて少数です。
その理由は、「応募者情報がスプレッドシートに点在していて、継続的なコミュニケーションに使えない」からです。
ステップ⑤:メルマガリストとしてkintone情報を活用
キントーン(kintone)上に整理された応募者データは、そのままメルマガ配信に活用できます。
- 「Mailchimp」「SendGrid」「ベンチマーク」など、外部配信サービスと連携
- キントーン(kintone)上でメルマガリストを作成し、API連携やCSVで取り込み
- 配信ごとに開封率や反応を外部配信サービスで記録
このように、データを溜めて、データを活かす運用ができるようになります。
そもそも、NPO/NGOの活動を知った方が100%全員、活動を知った直後に寄付や支援をすることはありえません。
細く、長く、あるタイミングで寄付したいなと思った時に寄付ができる、活動を忘れないように思い出してもらうことが重要なのです。
そのために、NPO/NGOが人手をかけずに支援者の「関係性の階段」を上がってもらうことを意識しましょう。
寄付売上が増加する根拠|データを溜めてデータを活かす仕組みをつくる
この仕組みを導入することで、寄付売上が増加する要因は明確です。
1応募者との設定を可視化できる | 活動参加前から寄付に至るプロセスが見える化 |
2一度の応募を終わらせない設計 | メルマガで関係を維持・深化できる |
3ターゲティング配信が可能 | 興味・関心ごとにメッセージを最適化 |
4分析に基づく改善が回せる | どの施策が寄付に直結したかをデータで検証 |
ドナーピラミッドの理想は、ボランティアやイベント参加者が少しずつ支援意欲を高め、
やがて寄付や会員登録、さらには大口支援へと進むことです。
しかし実際は、「関係が続かない」「メールが届かない」「寄付のタイミングを逃す」といった理由で、ピラミッドの下層から上層に登れずに終わっている団体がほとんどです。
キントーン(kintone)を活用することで、この課題は劇的に改善します。
NPO/NGOが持つ「人とのつながり」という最も大切な資産を、継続的に活かせるようになるのです。
ボランティア応募だけで終わりにしない一歩先の経営システムを構築しませんか?
「ボランティア応募データを活かして、寄付売上を上げる仕組みを構築したい」という団体は、まずはキントーン(kintone)導入・プラグイン連携の相談から始めてみてください。
データが整理されることで、NPOの活動は“持続可能な支援モデル”へと進化します。
本記事には取り上げていませんが、
- Google広告150万円枠を活用することでボランティアの問合せ数を自動的に最大化するためのNPO/NGOだけが独自に活用できる具体的な方法
- ボランティアで参加者が継続寄付者になってもらうための動線設計の最適化
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