多くのNPO法人では、ボランティア募集を通じて新しい支援者と出会い、そこから寄付者やファンを増やしたいと考えています。
特に「activo(アクティボ)」のようなボランティアプラットフォームを活用している団体は、年間を通して多くの応募者との接点を得ることができます。
しかし、現実には——
ボランティアの応募情報を一度きりの関係で終わらせてしまっている団体が少なくありません。
せっかく関心を持って応募してくれた方の情報を、手作業でスプレッドシートに整理して終わり……。その後、寄付やメルマガ配信などに活かされていないケースが多いのです。
本記事では、「activo → スプレッドシート → kintone → メルマガ配信」という一連の流れを自動化・効率化し、NPOが寄付売上を安定的に増やす仕組みを紹介します。
なぜボランティアが寄付者にならないのか?
要因は2つあります。
要因①関係性が深まっていない
ボランティアに一度会ったきり、メールもニュースレターも送らない。
これでは相手は「自分は忘れられた」と感じてしまいます
→解決策:
定期的にメールやSNSで活動報告を届け、接点を保つこと。
要因②関心が高い時期を逃している
ボランティア直後の「感動・共感」が最も強い瞬間です。
この熱が冷める前に、次のアクション(例:寄付・イベント招待)を促すことが重要です。
→解決策:
「参加直後に自動でメールを配信できる仕組み」を作ること。
これをキントーンを使えば、ほぼ自動化できます。
解決策は“キントーン+メルマガリスト”で関係を育てる
多くのNPOは、アクティボ応募情報をスプレッドシートで管理しています。
これをそのまま何も活用しないのはもったいない。
キントーン(kintone)を使えば、
「応募情報」→「ボランティア履歴」→「メルマガリスト生成」→「メルマガ配信」までを一元管理できます。
- スプレッドシートとキントーン(kintone)をプラグイン連携で同期
- 自動的に新しい応募者がキントーン(kintone)に反映
- 関連データを整理し、メルマガリストを作成
- 適切なタイミングで配信ツールからメールを送信
これだけで、ボランティアから寄付者への導線を可視化できるようになります。
7つのステップで実践しよう
ここからは、実際にNPOが最小労力で取り組める手順を紹介します。
ステップ①:activoでボランティア募集を行う
まず、NPOがactivo上でボランティア募集ページを作成します。
応募データが自動でスプレッドシートに反映されるよう設定しましょう。
ステップ②:キントーン(kintone)でアプリを作成
「ボランティア応募者管理アプリ」を作成しましょう。
氏名、メールアドレス、応募日、参加履歴などを記録できるようフィールドを設置しましょう。
ステップ③:プラグインを実装してワンクリックでキントーン(kintone)にデータ取り込み
スプレッドシート上に応募者情報が蓄積されたら、ここで登場するのがキントーン(kintone)連携プラグインです。
プラグインを活用すればキントーン(kintone)とスプレッドシートや外部DBを双方向に連携できる強力なツールです。
通常、CSVの手動インポートやAPI設定が必要なデータ連携を、「ボタンクリック一つ」で完結させることができます。
プラグインの管理画面で「データ取得」ボタンをクリックするだけで、最新応募情報を自動でキントーン(kintone)のアプリ(=エクセルでいう1ファイルとほぼ同じ)に反映。
これにより、「新しい支援者リスト」を即座に構築できます。
ステップ④キントーン(kintone)で支援者データベースを整備
プラグインによって取り込まれた応募者情報は、キントーン(kintone)上で支援者データベースとして蓄積されます。
ここからが“データ活用の本番”です。
たとえば、次のような条件でリストを作成できます。
- 過去6ヶ月以内に応募したボランティア
- メールアドレスが有効な人
- イベント参加経験あり
- サイトに問合せしてきた人
こういった情報を1つのリストにまとめて全属性にメルマガを一斉配信する、あるいは属性別にメール配信する、こういった運用ができるだけで、寄付増収および活動のファン度を高めることができます。
キントーン(kintone)を正しく設計、実装すれば、1クリックで重複を排除したリストが生成できるため、メルマガ配信のハードルを一気に下げることができます。

ステップ⑤GEMINIでメルマガ案を作成
Googleの生成AI「GEMINI」を使い、自団体のURLを読み込ませることで、自然な文章のメール案を自動作成。
初心者でもすぐに下書きができます。
自社のURLをGeminiに読み込ませる
高品質なメルマガ作成をするために、まずAIに自社サービスを理解させる工程が必要です。
ウェブサイトURLをGeminiに提供し、「サービス内容を理解してください」と指示を送りましょう。

これにより、AIの脳内に十分な情報を与えることを必ず実践してください。
プロンプトで指示を出す
以下のようなプロンプトで指示を出しましょう
#前提条件
あなたはBtoC商材を扱っているメールマーケティングのプロです。
下記の内容を踏まえ、メルマガのテーマを5個出してください。
#メルマガの目的
ボランティアを含む全てのステークホルダーに対してメルマガを配信しています。
一度問い合わせたのち、休眠顧客に対して、メルマガで課題を顕在化させて、寄付につなげたい。
#ターゲット
活動に共感してボランティアに参加してくれた人をはじめ、メールアドレスを取得している全てのステークホルダー
アウトプットされた内容で事実をチェックして整形する
AIで出力された内容を、最終的にチェックしてメルマガ文案を整えましょう。
ステップ⑥キントーン(kintone)で生成したリストをメール配信ツールへ
ベンチマークやオレンジメールなど、一般的なメール配信ツールにリストをインポートし、上記のメルマガ案に画像などを差し込んでメールを配信しましょう。
とにかく月1回の頻度、メールを送ることを実践してください。
ボランティア応募だけで終わりにしない一歩先の経営システムを構築しませんか?
これまでの内容をまとめます。
- ボランティアは寄付者予備軍
- 応募者リストを眠らせないことが重要
- キントーンで「情報の見える化」と「接点の自動化」を行う
- 初期構築はDXコンサルを受ければ1〜2週間で実装可能
ほとんどのNPO/NGOは、スプレッドシート等にデータが溜まっていても、データを売上に活かすための導線や最適化が実装できていないのが現状ですので、以上を実践してみてください。
もし、「自団体で実践ができない」、「ボランティア応募データを活かして、寄付売上を上げる仕組みを構築したい」という団体は、まずはキントーン(kintone)導入・プラグイン連携の相談から始めてみてください。
本記事には取り上げていませんが、
- Google広告150万円枠を活用することでボランティアの問合せ数を自動的に最大化するためのNPO/NGOだけが独自に活用できる具体的な方法
- ボランティアで参加者が継続寄付者になってもらうための動線設計の最適化
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