社会課題の解決を担うNPOは、多様な支援者・寄付者・利用者・行政・企業など、多くのステークホルダーと向き合いながら活動を進めています。
しかし、現場の実態はどうでしょうか?
・スプレッドシートが乱立
・担当者ごとにバラバラの管理
・メールや紙に依存
・人が入れ替わると情報統合が困難
・ボランティア募集 → 処理して終わり → 寄付につながらない
こうした状況が続く限り、活動の持続性も成果も伸びません。
今NPOに最も必要なのは「AI活用」ではなく、その前提となる “DX=業務と情報の構造改革” です。
その中心となりうるのが、クラウド業務基盤である キントーン(kintone)です。
本記事では、キントーン(kintone)がNPOにもたらす価値「助け合いの情報インフラを次世代に紡げる」を体系的に整理し、「導入すべき理由」をわかりやすく解説します。
1. 全ステークホルダーの情報を一箇所に集め、役割に応じて出し分けられる唯一の基盤
NPOには、ステークホルダーが多様に存在します。
- ボランティア
- 寄付者
- 会員
- 受益者
- 行政、企業担当者
- 職員やアルバイト
- 理事や監事

ところが多くの団体では、「ステークホルダーごとに情報が散らばっている」ため、以下の問題が発生しています。
Excel・スプレッドシートが増殖し、誰も全体像をつかめない
問い合わせ管理、寄付管理、会員管理、ボランティア管理…それぞれ別ファイル。
担当者が変われば引き継ぎ不能。組織の記憶が消える。
メールや紙に情報が埋もれる
問い合わせ内容や支援者の感情、寄付者との関係メモなど、重要な情報が“人の頭”にしか残らない。
キントーン(kintone)なら「一元管理 × 権限による出し分け」が可能
キントーン(kintone)は、すべての情報をクラウド上に集約したうえで、“誰が何を見られるか” を細かくコントロールできます。
- 寄付者情報は理事と事務局のみ
- ボランティア情報は担当スタッフのみ
- 受益者情報は支援チームのみ
- 法人格情報は代表と事務局長のみ
現場の職員は必要な情報だけが見られ、個人情報保護も担保できます。


さらに、入力方式を統一できるため、人が入れ替わっても 業務の継続性が保たれます。
人材の入れ替わりが激しい業界であるNPO業界に対して、キントーン(kintone)は、「組織に情報を蓄積し続ける箱」として機能し、属人化を根本から解消してくれるパートナーになってくれます。
2. 業務改善が進み、“ファンドレイジングに使える時間”が増える
NPOにとって「最も不足している資源」は何でしょうか?
答えは “人の時間” です。
特に寄付者コミュニケーション、ボランティアフォロー、受益者支援など“本来時間を割くべき業務”に人が回っていません。
その理由は、圧倒的な 事務作業の多さ です。
- ボランティア応募をスプレッドシートに転記
- 問合せメールを振り分け
- 参加者リストの更新
- メルマガ用リストの手作業準備
- 寄付情報の整理
これらを手動で行っている団体がほとんどです。
どれだけ規模が大きくなっても事務作業が多い法人格であることを理解する
NPOは、受益者と支援者を同時に扱う法人格である。
この特徴が替わることはありません。
営利企業よりも多くの関係者や情報を扱わないと、活動をスケールさせることができない法人がNPO/NGOである

このことを理解してください。
キントーン(kintone)導入で「作業時間そのもの」が消えていく
キントーン(kintone)では以下が自動化できます。
- フォーム入力 → そのままデータベース化
- 寄付や問い合わせの対応漏れに自動リマインド
- ステータス管理で“今どこまで進んでいるか”が可視化
- DBHUBなどのプラグインで外部のスプレッドシートからワンクリック取込み
- メールワイズと連携して、寄付者・ボランティアへの一斉配信が容易
こうした仕組みが整うと、職員の負荷が激減し、以下のような効果が生まれます。
①寄付者フォローに時間が使えるようになる
NPOにとって「寄付者維持率」は生命線です。
事務作業が減るほど、寄付者との関係づくりに時間を割けるようになります。
②ボランティアを寄付者につなげる導線を作れる
アクティボ応募 → データ蓄積 → メルマガ配信 → イベント招待 → 寄付につながる
という“関係深化の流れ”が自動生成できます。

③ボランティアマイページ等を作成し、ボランティア管理業務を削減できる
ボランティアが増える程、事務量が増えるのでは、活動を大きくすることはできませんが、キントーン(kintone)を活用することで、ボランティア200名→ボランティア400名に増やす仕組みを実装できた事例もあります。

④寄付者に報告するために必要な、受益者の情報を分析、可視化がすぐにできる
年間何人の受益者と対応しました、受益者からこんな声が集まりました。
定量、定性データをまとめて、寄付によって何が成し遂げられた?を報告することは、全てのNPOにとって必要不可欠な業務です。
・イベント開催件数、参加件数
・アンケート内容
以下のように、イベント運営管理、イベント申込管理、イベントアンケート管理の3アプリをつくることで、情報を集める、溜める、活かす、分析する等が実現できるため、寄付者に報告する情報をまとめる負荷を軽減することができます。

NPOは受益者とのやりとりとLINEで行うことがほとんどですが、キントーン(kintone)を活用すれば、LINEのトーク履歴をキントーンに吸い上げて、受益者とのやりとりも一元管理ができます。

3. NPOは「AIよりDX」を優先すべき。キントーン(kintone)はDXの土台となる最強ツール
昨今、多くのNPOが「AI活用」をテーマにしたセミナーに参加しています。
ただし、本来は順番が逆です。
DXが未整備の状態でAIを使っても成果は出ない
そもそも情報が散乱していては、AIに学習させる材料もありません。
- データがバラバラ
- 業務が属人化
- 情報更新の仕組みが無い
- 担当者しか分からない“暗黙知”だらけ
この状態でAIを使っても、答えの精度も効果も限定的。
まずは “情報基盤の整備=DX” が必要です。
キントーン(kintone)は「NPOが最初に整備すべきDX基盤」
キントーン(kintone)は、NPOに必要な以下の要素をすべて満たします。
- データの一元化
- 業務フローの標準化
- 権限設定
- コミュニケーションログの統合
- プロセスの自動化
- どこからでもアクセスできるクラウド基盤
これらが揃って初めて、生成AIと連携した 「業務の完全自動化」 が可能になります。
AI活用の未来を見据えるほど、最初の一歩はキントーンに行き着きます。
ちなみに、キントーン(kintone)とコングラント等のツールの役割分担は以下の通りです。

4. 「NPOはSalesforceを入れたけど使いこなせない」——その歴史的背景とキントーンの優位性
日本のNPOでCRMを語る上で、Salesforceは外せません。
2005年ごろ、認定NPO法人フローレンスが導入したことを契機に、多くの団体が「Salesforce Nonprofit Success Pack(NPSP)」を使い始めました。
しかし、現場の声はどうでしょうか。
- 導入したが、電話帳のように“寄付者リスト”としてしか機能していない
- カスタマイズが難しく、現場の要望を反映しきれない
- 担当者交代で使われなくなる
- 外部開発会社への依存が大きく、修正が高額
- 営利企業向けの思想が強く、NPOの現場業務とズレが生じる
結果として、多くの団体が「宝の持ち腐れ」状態に陥っています。
キントーン(kintone)は“現場の実情に合わせて作れる”——これが決定的に違う
キントーン(kintone)の最大の強みは “現場が自分たちで改善できる” 点です。
- ドラッグ&ドロップで項目変更
- フォーム改善が即日反映
- プラグインで簡単に機能拡張
- 外部業者に依頼しなくても現場で修正可能
- API連携も容易で、スプレッドシート・会計・イベントシステムともつながる
Salesforceが「完成された高機能CRM」だとすれば、キントーン(kintone)は “成長し続ける現場型プラットフォーム” です。
NPOは現場中心で動く組織だからこそ、メイド・イン・ジャパンであるキントーン(kintone)が向いている
現場と本部の距離が近く、人の出入りが多く、小さな改善が連続で起きる。
この特性に最もフィットするのがキントーン(kintone)です。
ちなみに、様々な外資系企業(セールスフォース、ハブスポット、ゾーホー)と、キントーン(kintone)を提供するサイボウズさんを比較すると、キントーン(kintone)一択です。

5. キントーン(kintone)導入は「寄付を増やす仕組みづくり」の第一歩である
DXは目的ではなく、活動成果を最大化するための手段です。
キントーン(kintone)導入によって、NPOは次のような“寄付が増える組織設計”が可能になります。
ボランティア → メルマガ → 寄付 の導線設計
様々な属性情報を一箇所に集めてユニーク化(重複排除)してメルマガリストを作成し、メルマガ配信停止者の情報をメンテナンスすることでメルマガ業務を最適化する仕組みを実装できる。

寄付者フォローの質が向上し、継続率が上がる
支援者が増えても、情報がすべて一箇所に集まって、適切なコミュニケーションがとれるようになることで、支援者と交流した1スタッフだけでなく、組織全体で支援者と満足度が高い交流ができるようになる。
結果、寄付額の増額が期待できる基盤が整う。

ドナーピラミッドを適切に構築、実装ができる
多くの団体が「理解はしているが実践できない」現状を、データ基盤が根本解決。

情報が1箇所に集まる事で、情報を探す時間を抑制できる。
キントーン(kintone)を見れば、全ての情報にたどり着けるようになれば、情報を探す時間を極限まで抑えて、必要な業務を推進ができるようになります。

6. まとめ:キントーン(kintone)は、NPOの未来を支える「戦略資産」である
キントーン(kintone)は単なる便利ツールではありません。
NPOが持続可能に成長するための「情報インフラ」そのものです。

- 情報が一元化され、属人化が消える
- 業務改善で職員が“本来すべき仕事”に集中できる
- DXが進み、AI活用の準備が整う
- Salesforceが難しい現場でも、キントーン(kintone)なら柔軟に実装できる
- 寄付・会員・ボランティアが循環する仕組みが作れる
もし、あなたの団体が次のいずれかに当てはまるなら、キントーン(kintone)は必ず役に立ちます。
- スプレッドシートが増え続けている
- 情報が属人化し、引き継ぎが不安
- ファンドレイジングに時間が割けない
- 市民活動・支援事業・寄付管理を一つにまとめたい
- Salesforceを入れたが使いこなせていない
- コングラントとキントーン(kintone)を正しく使い分けたいが方法が分からない
ただし、1点注意点があります。キントーン(kintone)を自団体だけでは、最適化が難しいです。
キントーン(kintone)内で、どの情報とどの情報をどう繋ぐべきか?キントーン(kintone)以外のツールの中で、どの役割をキントーン(kintone)が担うべきか?
構築、運用経験がある専門家が適切な地図を描かない限り、キントーン(kintone)で情報インフラを構築することは難しいです。
そこで、毎月5社限定1時間でDX地図が手に入る個別相談を実施していますので、ご興味がある方は、以下よりお問合せお願いします。

また、上記の通り、キントーン(kintone)スキルを構築することで、非営利団体でも高単価受注のスキルを身につけることが可能です。
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