SaaSは死なないが利益率は落ちる|AI時代に必要とされる情報の在り方を考える

昨今のAI台頭に伴い、SaaSの死というキャッチフレーズがIT業界メディアを席巻しておりますが、皆様はどう考えますか?

非営利業界や営利業界で様々なSaaSを活用してきた実績を根拠に、SaaSは死にはしないが利益率が下がる構造は避けられないという私見について記載します。

目次

SaaSに求められるのはセキュリティを担保した上で情報インフラとしての機能

これまでSaaSの代表格であったセールスフォースの機能を、AIが代替しつつある事を根拠に、SaaSが無くなるのではという議論がなされています。

確かに、セールスフォースさんやサイボウズさん等、1従業員=1アカウント発行が前提で、月額課金モデルで展開してきたSaaSを使わなくなるシーンは増えていくことは間違いないでしょう。

一方で、AIが台頭しても、AIには代替されにくい機能について、いくつかの機能について記載してみます。

セキュリティが担保された状態で情報が格納される機能

セールスフォースやキントーン(kintone)等は、情報を格納する情報インフラとして非常に優秀なサービスです。

様々な便利サービスが乱立する昨今において、Webhook連携やAPI連携等をフル活用すれば、様々な見込顧客や既存顧客の情報を一元管理できるようになり、法人の売上の根源となる情報を集約することができます。

この場合、セールスフォースさん、サイボウズさん共に、非常に堅牢なセキュリティを担保した状態で、データを蓄積することができる仕組みが実装されています。

SaaSがこれまで担っていた情報をつなぐ機能などをAIが代替できるようになったとしても、溜めた情報をいかにセキュリティを担保した状態で管理できるのか?という部分は、AIが担うことがないため、セキュリティ担保機能を担保したSaaSは、これからも役割があり続けて、なくなることはないというのが私見です。

以下、どのような体制でセキュリティが担保されているかについて、言及します。

セールスフォースの場合

2022年から、ログインとパスワードだけではセールスフォースのアカウントにアクセスができず、携帯電話に飛ばされくる通知で認証をする機能が実装されています。

この機能があるので、クラウド上にデータ格納がされていたとしても、誰でも情報にアクセスができないようになっています。

キントーン(kintone)の場合

キントーンは、サブドメイン、ユーザーごとのアクセス権、アプリ単位でのアクセス権、フィールド単位でのアクセス権、セキュアアクセス、IPアドレス制限等、法人のニーズに合わせて、非常に細やかなセキュリティを担保できる仕組みが備わっています。

社外からはクライアント証明書が発行されている人しかアクセスができない
IPアドレスを制限して事務所からしかアクセスができない
エクセルでいう、1ファイル単位、1行単位、1列単位で、立場ごとに誰がどこまでの情報が閲覧できるようになっている

など、何重にもセキュリティが担保されていて、キントーン(kintone)側で情報が漏洩するリスクを極めて抑えられるようになっています。

出典:https://www.cybozu.com/jp/service/option/index.html

カスタマーサポート機能(特に電話でのフォロー機能)

セールスフォースやキントーン(kintone)に共通するのは、分かりにくさです。

どれだけ外部業者が最適な仕組みを構築したとしても、構築された仕組みを使うユーザー側がリテラシーが低い状態であるというシーンは必ず発生します。

課題解決方法が、AIで解決できるシーンは増えてきていますが、誰かに聞いて教えてもらいたいというニーズはなくなることはありません。

オンラインイベントがどれだけ流行っても、対面イベントの需要がなくならないのと同じように、電話で問合せして、分からない事を解決してくれる機能は、ホモ・サピエンスの本能的に無くなることはないと思っています。

逆に、カスタマーサポートの体制は、メール等ではなく、電話対応ができることに価値が高まるため、SaaS側の運営負担が大きくなる一方だと考えてもいいかもしれません。

SaaSとAIの役割の違いを定義した上でAIには情報インフラ構築が難しい事を理解しよう

SaaSの死というキーワードが取り上げられるのは、AIとSaaSの役割が混在していることが主因です。

そもそも、SaaSとAIの役割の違いを明確に定義することで、SaaSが死ぬことはない事を理解してもらえたら幸いです。

SaaSとAIの役割違いは、以下の図を見れば理解が進むかと思います。

  • SaaSは情報インフラ
  • AIはアウトプット

と、それぞれ役割が異なります。

昨今、AIが機能しているのは、インターネットという膨大なデータベースが存在するからだと抑えてください。

インターネットに蓄積されている膨大なデータを情報源として、的確な指示(プロンプト)を出すことで、欲しい情報が出力することを誰でもできることで、AIが普及する環境は整っていると言えます。

一方で、自社・自団体のデータを一箇所に集めること=情報インフラを構築する事自体、ほぼ100%の営利法人、非営利組織が実装できていないという事実があります。

なぜかというと、情報を溜める入口となる各サービスが情報を蓄積する機能を前提に存在していないからです。

  • LINE=コミュニケーションを円滑にする
  • ロボットペイメント(決済サービス)=売上をつくる
  • Peatix=イベント業務の効率を最大化する

これらが求められる主な機能を担保しつつ、自社情報をいかに蓄積する仕組みを構築できるか?が重要になってきます。

以上を踏まえて、

  1. これまで通り情報の入口となるサービスを活用する
  2. 情報の入口となる各種サービスを組織で一元管理できる仕組みを構築する
  3. 2つの条件を整えた上で社内AIを実装する

が構築できることで、自社、自団体の基盤が整備され、活動を拡げていく土台が形成できることになります。

それぞれの役割を明確に定義した上で、AIの恩恵も受けながら、どんな優先順位で何に注力すべきか?を考えてもらえるヒントになれば幸いです。

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この記事を書いた人

DXの専門家|寄付集め実績4億|2社経営

『国公立大学含むDX支援実績20団体以上』
独立5年で受注単価10倍超

▼個人向け事業
3ヶ月で脱社畜が叶う
DXのプロ養成講座を主宰

▼パーソナリティ
3児の父
趣味の釣りで会社経営(ガイド+EC)
NPOのデジタル経営支援実績日本一

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